踏み台サーバー
踏み台サーバーとは
踏み台サーバー(bastion host / ジャンプサーバー)は、内部ネットワークのサーバーへ接続するための唯一の入口となる中継サーバーです。
管理者はまず踏み台にログインし、そこから目的のサーバーへ入ります。内部サーバーはインターネットから直接触れない場所に置き、踏み台だけを限定的に公開する — これがクラウド・オンプレを問わず定番の構成です。
管理者PC ──(SSH)──> 踏み台サーバー ──(SSH)──> 内部サーバー群
(ここだけ外部に公開) (外部から直接は届かない)
なぜ必要か
インターネットに面したサーバーが増えるほど、攻撃を受ける面(アタックサーフェス)が広がります。踏み台を置くと次の効果が得られます。
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 攻撃面の縮小 | 外部に開く入口を1台に集約できる |
| 監査ログの集約 | 誰がいつ入ったかを1か所で記録・追跡できる |
| 内部サーバーの保護 | 内部にはグローバルIPを振らずに済む |
[[ファイアウォール]] で「踏み台からの接続のみ許可」と設定すれば、内部サーバーへの経路を確実に絞れます。
運用のポイント
踏み台は入口である以上、そこが破られると内部全体が危険にさらされます。守りを厚くするのが前提です。
- 接続元IPを限定する — 社内やVPNのIPからのみ許可する
- 鍵認証を使う — [[SSH]] はパスワード認証を無効化し公開鍵認証に統一する
- 操作ログを残す — 誰がどのサーバーで何をしたかを改ざんされない場所に保管する
- 余計なものを入れない — 踏み台は中継専用にして、アプリやデータを置かない
Windows サーバーの管理では [[RDP(リモートデスクトップ)]] の中継用に踏み台を置きます。
VPNとの関係
[[VPN]] も外部から内部へ入る手段ですが、役割が異なります。VPN はネットワークごと内部に参加させるもので対象が広く、踏み台は特定サーバーへの中継のみを許すため対象が狭く監査しやすい、という違いです。
実務では「VPN で社内ネットワークに入り、さらに踏み台を経由して本番サーバーへ」と二重にすることも珍しくありません。
初学者向けポイント
- [[Linux]] の SSH には多段接続の設定があり、
~/.ssh/configの ProxyJump を書けば踏み台経由を意識せずに接続できる - 「本番サーバーに直接 SSH できる状態」はリスクが高いと覚えておく
関連技術とのつながり
- [[SSH]] — 踏み台経由の接続で最も使われるプロトコル
- [[RDP(リモートデスクトップ)]] — Windows 管理での中継対象
- [[ファイアウォール]] — 踏み台からの接続だけを許可する設定が肝
- [[VPCとクラウドネットワーク]] — 踏み台を公開側、内部サーバーを非公開側に置く土台
- [[VPN]] — 経路を守る別手段。併用されることも多い
- [[Linux]] — 踏み台サーバーの OS として一般的
- [[ゼロトラスト]] — VPNや踏み台のような境界型の守りに対し、アクセスのたびに検証する考え方
Q: 踏み台サーバーを置く主な目的はどれ?
- [x] 内部サーバーへの入口を1か所に集約し、外部に公開する範囲を狭めるため
- [ ] Webサイトの表示速度を上げるため
- [ ] データベースの容量を増やすため
解説: 外部に開く入口を1台に絞ることで攻撃面を減らし、ログとアクセス制御も一元化できます。
Q: 踏み台サーバーの運用として推奨されるのはどれ?
- [ ] パスワード認証のみにして誰でも接続しやすくする
- [x] 接続元IPを限定し、SSHは公開鍵認証に統一する
- [ ] アプリや本番データも踏み台に置いてまとめる
解説: 踏み台は破られると内部全体が危険になるため、接続元の限定・鍵認証・中継専用の維持が基本です。
Q: 踏み台サーバーとVPNの違いとして本文の説明に合うのはどれ?
- [ ] どちらもまったく同じ仕組みで呼び方が違うだけ
- [x] VPNはネットワークごと参加させ、踏み台は特定サーバーへの中継のみを許す
- [ ] 踏み台はネットワーク全体を暗号化し、VPNは中継だけを行う
解説: 対象範囲が異なり、実務では VPN で社内網に入ってから踏み台を経由する二重構成もよく使われます。