DDoS攻撃と対策

DDoS攻撃とは

DoS(Denial of Service)攻撃は、大量のリクエストや通信を送りつけてサービスを応答不能に追い込む攻撃です。頭に D が付いた DDoS(Distributed DoS)は、世界中に分散した多数の機器から一斉に行う DoS 攻撃を指します。

攻撃元には、マルウェアに感染して乗っ取られた無数のPCや IoT 機器の群れ(ボットネット)が使われます。発信元が何万と分散しているため、「特定のIPを遮断すれば終わり」とはいかないのが厄介な点です。

データを盗む攻撃と違い、DDoS が奪うのは可用性(サービスが使える状態)です。ECサイトなら停止時間がそのまま売上損失になります。

攻撃の種類

ねらい
帯域枯渇型大量のパケットを送り回線を埋めるネットワーク帯域の飽和
プロトコル型接続の手続きを途中で放置し続ける(SYNフラッドなど)サーバーの接続管理資源の枯渇
アプリケーション層型正規に見える HTTP リクエストを大量に送るWeb アプリや DB の処理能力の枯渇

アプリケーション層型は1つ1つが正常な通信に見えるため、見分けが難しいのが特徴です。

対策の基本

DDoS は単独の機器では受け止めきれないため、多層で受け流す設計が基本です。

  • [[CDN]] / DDoS 対策サービス — 世界中に分散した基盤で攻撃トラフィックを吸収・浄化する。現実的に最も有効な対策です
  • [[レートリミット]] — 同一送信元からの過剰なリクエストを制限する
  • [[WAF]] — アプリケーション層の攻撃パターンを検知・遮断する
  • [[ロードバランサ]] とオートスケール — 正規の急増(バズなど)と合わせて処理能力に余裕を持たせる
  • [[ファイアウォール]] — 不要なポート・プロトコルを閉じて攻撃面を減らす
  • 対応手順の準備 — 攻撃を検知したときの連絡先(ISP・対策サービス)と手順を決めておく

初学者向けポイント

  • 自宅サーバーや小規模VPSを直接公開すると、DDoS には基本的に太刀打ちできません。CDN 経由の公開が現実解です
  • 「アクセス急増」はバズか攻撃か即断できません。監視でふだんのトラフィックの形を知っておくことが判断材料になります
  • ボットネットの一員にならないこと(機器の更新・初期パスワード変更)も、社会全体の DDoS 対策です

関連技術とのつながり

  • [[CDN]] — 分散基盤で攻撃を吸収する、実務上の第一の防波堤
  • [[レートリミット]] — 過剰リクエストを入り口で制限する
  • [[WAF]] — アプリケーション層型攻撃の検知・遮断
  • [[ロードバランサ]] — 負荷分散と処理能力の確保
  • [[ファイアウォール]] — 攻撃面の縮小
  • [[マルウェアの種類と対策]] — 攻撃元のボットネットは、ボット型マルウェアに感染して乗っ取られた機器の集まり
Q: DoS攻撃と比べたDDoS攻撃の特徴はどれ?
- [x] 分散した多数の機器から一斉に攻撃する
- [ ] データを暗号化して身代金を要求する
- [ ] 1台の高性能マシンだけから攻撃する
解説: DDoS の D は Distributed(分散)。ボットネットなど多数の発信元から攻撃するため遮断が困難です。

Q: DDoS攻撃が主に奪うものはどれ?
- [ ] データの機密性
- [x] サービスの可用性
- [ ] 通信の完全性
解説: DDoS はサービスを応答不能にする攻撃で、「使える状態」すなわち可用性を奪います。

Q: DDoS対策として現実的に最も有効とされるのはどれ?
- [ ] サーバーのパスワードを複雑にする
- [ ] エラーページのデザインを整える
- [x] CDNやDDoS対策サービスで攻撃トラフィックを吸収する
解説: 大規模な攻撃は単独の機器では受け止められず、分散基盤を持つ CDN・対策サービスで吸収するのが基本です。