DHCP
DHCPとは
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、ネットワークに接続した端末へIPアドレスなどの設定を自動で配布するプロトコルです。スマホをWi-Fiにつなぐだけで通信できるのは、裏でDHCPが働いているからです。
DHCPサーバーが配布するのは主に次の4点セットです。
- IPアドレス([[IPアドレスとサブネット]] のプライベートIPなど)
- サブネットマスク
- デフォルトゲートウェイ(外へ出るときの出口ルーター)
- DNSサーバーのアドレス([[DNS]] で名前解決するための問い合わせ先)
家庭ではWi-FiルーターがDHCPサーバーを兼ねているのが普通です。
アドレスが配られる流れ(DORA)
端末とDHCPサーバーは、次の4ステップでやり取りします。頭文字をとって DORA と呼ばれます。
| 順番 | メッセージ | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | Discover | 端末「DHCPサーバーいませんか?」(ブロードキャスト) |
| 2 | Offer | サーバー「このアドレスはどうですか?」 |
| 3 | Request | 端末「それをください」 |
| 4 | Ack | サーバー「確定です。期限はここまでです」 |
このやり取りは [[UDP]] の67番・68番ポートで行われます。まだIPアドレスを持たない端末が相手を探すため、最初はネットワーク全体への一斉送信(ブロードキャスト)で始まるのが特徴です。
リース期間
配られたアドレスにはリース期間(貸出期限)があり、期限が近づくと端末は自動で更新を申請します。端末がいなくなればアドレスは回収されて別の端末に再利用されるため、限りあるアドレスを効率よく使い回せます。
一方、サーバーやプリンタのようにアドレスが変わると困る機器には、固定IPの手動設定や、MACアドレスに紐づけて毎回同じアドレスを配る予約設定を使います。
初学者向けポイント
- 「IPアドレスが 169.254.x.x になっている」は DHCP サーバーから応答がなかったサイン — 配線やWi-Fi接続、ルーターの状態を疑う
- 同じ [[LANとWAN]] のLAN内にDHCPサーバーが2台あると、意図しないアドレスが配られて混乱の原因になる
ipconfig /releaseとipconfig /renew(Windows)でアドレスの返却・再取得を試せる
関連技術とのつながり
- [[IPアドレスとサブネット]] — DHCPが配布する設定の中心はIPアドレス
- [[UDP]] — DHCPのやり取りはUDP上で行われる
- [[DNS]] — DHCPはDNSサーバーの場所も端末に教える
- [[LANとWAN]] — DHCPは基本的にLANの内側で働く仕組み
Q: DHCPの役割として正しいのはどれ?
- [ ] ドメイン名をIPアドレスに変換する
- [x] IPアドレスなどのネットワーク設定を端末に自動配布する
- [ ] 通信経路を暗号化する
解説: DHCPはIPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNSサーバーなどを自動配布します。名前解決はDNSの役割です。
Q: DHCPでアドレスが配られる4ステップ(DORA)の正しい順番はどれ?
- [x] Discover → Offer → Request → Ack
- [ ] Offer → Discover → Ack → Request
- [ ] Request → Ack → Discover → Offer
解説: 端末のDiscoverから始まり、サーバーのOffer、端末のRequest、サーバーのAckで確定します。
Q: リース期間の説明として正しいのはどれ?
- [ ] アドレスは一度配られたら永久にその端末のものになる
- [ ] リース期限が切れると端末は二度と接続できなくなる
- [x] アドレスには貸出期限があり、使われなくなれば回収されて再利用される
解説: リースは「貸出」の意味で、期限つきで配ることでアドレスを効率よく使い回します。端末は期限前に自動更新します。