機械学習の基礎
機械学習とは
機械学習(Machine Learning)は、ルールを人間がプログラムする代わりに、データからパターンを自動で学ばせる手法です。「スパムメールの特徴を全部 if 文で書く」のではなく、大量のスパム/非スパムの実例を見せて見分け方そのものを学習させる、という発想の転換が核心です。
[[生成AI・LLM]] も機械学習の一種で、「大量のテキストから次の言葉のパターンを学んだモデル」です。生成AIを理解する土台として、まず機械学習の基本を押さえましょう。
学習と推論 — 2つのフェーズ
| フェーズ | やること | 例えるなら |
|---|---|---|
| 学習(training) | 大量のデータからパターンを抽出してモデルを作る | 過去問を解いて勉強する |
| 推論(inference) | 出来上がったモデルで新しいデータに答えを出す | 本番の試験に挑む |
学習には大量のデータと計算資源([[クラウドコンピューティング]] のGPU)が必要ですが、推論は比較的軽く動きます。ChatGPTに質問して答えが返るのは「推論」の方です。
学習の種類
- 教師あり学習 — 「入力と正解」のペアで学ぶ(例: 画像とラベル、メールとスパム判定)。分類・予測の定番
- 教師なし学習 — 正解なしでデータの構造を見つける(例: 顧客のグループ分け)
- 強化学習 — 試行錯誤と報酬で行動を学ぶ(例: ゲームAI、ロボット制御)
LLMの学習は「次の単語を当てる」という形の教師あり学習を大規模化し、人間の好みを反映させる強化学習(RLHF)で仕上げる、という組み合わせです。
初学者向けポイント
- データの質がすべて: ゴミデータから学べばゴミモデルになる(Garbage In, Garbage Out)。前処理は [[データパイプライン・ETL]] の仕事
- 過学習に注意: 過去問を丸暗記して本番に弱い状態。訓練データでは正解するのに新しいデータで外す
- モデルは確率で答える: 「絶対の正解」ではなく「最もそれらしい答え」を出す。この性質は [[生成AI・LLM]] のハルシネーションにも通じる
関連技術とのつながり
- [[生成AI・LLM]] — 機械学習をテキストで大規模化した応用
- [[データパイプライン・ETL]] — 学習データの収集・整形を支える
- [[クラウドコンピューティング]] — GPUによる学習・推論の実行基盤
Q: 機械学習の基本的な考え方として正しいのはどれ?
- [ ] 人間がすべてのルールを if 文で書く
- [x] データからパターンを自動で学ばせる
- [ ] データベースに正解を保存して検索する
解説: ルールを書く代わりに実例から見分け方そのものを学習させるのが機械学習です。
Q: ChatGPTに質問して答えが返ってくるのは、どのフェーズ?
- [ ] 学習(training)
- [x] 推論(inference)
- [ ] 前処理
解説: 出来上がったモデルが新しい入力に答えを出すのが推論です。学習は事前に済んでいます。
Q: 過学習の説明として正しいのはどれ?
- [x] 訓練データを丸暗記して、新しいデータへの対応が弱くなった状態
- [ ] 学習に時間がかかりすぎて終わらない状態
- [ ] データが少なすぎて学習できない状態
解説: 過去問の丸暗記と同じで、訓練データでは高得点でも未知のデータで外すのが過学習です。