音声認識と音声合成
音声認識・音声合成とは
音声AIの中心は、方向が逆の2つの技術です。
| 技術 | 英語での呼び名 | やること |
|---|---|---|
| 音声認識 | STT(Speech to Text) | 音声 → テキスト。話した言葉を文字にする |
| 音声合成 | TTS(Text to Speech) | テキスト → 音声。文章を読み上げる |
スマートスピーカーは「音声認識で聞き取り → [[自然言語処理]] で意味を理解 → 音声合成で答えを話す」という組み合わせで動いています。
音声認識(STT)の進化
かつての音声認識は静かな環境ではっきり話さないと使い物になりませんでしたが、[[ディープラーニング]] の導入で精度が飛躍的に向上しました。OpenAI の Whisper のような公開モデルは、雑音のある環境や多言語の音声でも高精度に文字起こしできます。
主な活用例です。
- 会議の議事録作成 — 録音から自動で文字起こしし、[[生成AI・LLM]] で要約する組み合わせが定番
- 字幕の自動生成 — 動画配信やアクセシビリティ対応
- 音声入力 — キーボードより速い入力手段として
音声合成(TTS)の進化
音声合成も、機械的な棒読みから、人間と聞き分けにくい自然な音声へと進化しました。近年は少量のサンプルから特定の人の声を再現する技術もあります。
- ナレーション・オーディオブックの自動生成
- 電話の自動応答、車載アシスタント
- 読み上げによる視覚障害者支援
一方で、本人になりすます音声のディープフェイク(詐欺電話など)への悪用が問題になっており、声の複製には本人の同意が不可欠です。
初学者向けポイント
- 「音声認識」と「意味の理解」は別工程です。文字起こし後の要約や応答生成は LLM の仕事です
- 文字起こし結果には誤認識が含まれます。固有名詞や専門用語は特に間違いやすいため、重要な用途では人の確認を入れましょう
- リアルタイム処理(会話)と一括処理(録音ファイル)では求められる速度が違い、使うサービス・モデルの選定基準になります
関連技術とのつながり
- [[マルチモーダルAI]] — 音声はマルチモーダルAIの主要なモダリティ
- [[自然言語処理]] — 文字起こし後のテキストを理解・処理する技術
- [[ディープラーニング]] — 音声認識・合成の精度向上を支えた基盤
- [[生成AI・LLM]] — 文字起こしと組み合わせて要約・応答を担う
Q: STT(Speech to Text)がやることはどれ?
- [x] 音声をテキストに変換する
- [ ] テキストを音声に変換する
- [ ] 画像をテキストに変換する
解説: STT は音声認識、つまり話した言葉を文字にする技術です。逆方向のテキスト→音声が TTS です。
Q: 会議の議事録作成でよく使われる組み合わせはどれ?
- [ ] 音声合成で録音を要約する
- [x] 音声認識で文字起こしし、LLMで要約する
- [ ] 画像生成AIで議事録を描画する
解説: STT による文字起こしと LLM による要約の組み合わせが定番の活用パターンです。
Q: 音声合成技術の悪用として問題になっているものはどれ?
- [ ] 読み上げ速度が速すぎること
- [ ] 議事録の文字数が増えること
- [x] 本人になりすます音声のディープフェイク
解説: 特定の人の声を再現する技術は詐欺などへの悪用が問題化しており、声の複製には本人の同意が不可欠です。