VPN

VPNとは

VPN(Virtual Private Network)は、インターネットなどの共有ネットワーク上に暗号化された仮想的な専用線(トンネル)を作る技術です。物理的に離れた場所同士を、あたかも同じ社内LANにいるかのようにつなげます。

通信は [[暗号化の基礎]] で学ぶ暗号技術で保護されるため、途中の経路で盗み見られても内容は読めません。「公衆の道路の中に、自分たち専用の見えないパイプを通す」イメージです。

主な利用形態

形態つなぐもの典型的な用途
リモートアクセスVPN個人の端末 ⇔ 社内ネットワーク在宅勤務・出張先から社内システムを使う
拠点間VPN(サイト間VPN)拠点のLAN ⇔ 拠点のLAN本社と支社のネットワークを常時接続する

リモートアクセスVPNでは、端末にVPNクライアントを入れて接続すると、社内の [[LANとWAN]] のLAN側アドレスが割り当てられ、社内サーバーへ直接アクセスできるようになります。[[RDP(リモートデスクトップ)]] や社内Webシステムを「VPN経由でのみ許可する」構成は実務の定番です。

代表的な方式

  • IPsec VPN — ネットワーク層で暗号化する伝統的な方式。拠点間VPNでよく使われる
  • SSL-VPN(TLS-VPN) — [[HTTPS・TLS]] と同じTLSを使う方式。ブラウザやクライアントから手軽に接続できる
  • WireGuard など — 設定がシンプルで高速な比較的新しい方式

いずれも「トンネルを張って暗号化する」という目的は同じで、暗号化の場所や実装が異なります。

初学者向けポイント

  • カフェの無料Wi-Fiなど信頼できないネットワークでは、VPNを通すことで盗聴リスクを下げられる
  • VPNは「社内に入る鍵」なので、アカウント管理と多要素認証が重要 — VPN装置の脆弱性を突く攻撃も多く、装置のアップデートを放置しないことが必須
  • VPNを張ると通信がすべてトンネル経由になり速度が落ちることがある — 「つながるが遅い」の原因切り分けの観点として覚えておく

関連技術とのつながり

  • [[暗号化の基礎]] — VPNのトンネルは暗号技術で守られている
  • [[HTTPS・TLS]] — SSL-VPNは同じTLSプロトコルを土台にしている
  • [[ファイアウォール]] — 「社内システムはVPN経由のみ許可」という構成でセットで使われる
  • [[RDP(リモートデスクトップ)]] — RDPを直接公開せずVPN越しに使うのが安全な定番構成
Q: VPNの説明として正しいのはどれ?
- [x] 共有ネットワーク上に暗号化されたトンネルを作り、離れた場所を仮想的な専用線でつなぐ
- [ ] 物理的な専用線を新しく敷設するサービス
- [ ] 通信を高速化するためのキャッシュサーバー
解説: VPNは Virtual Private Network の名のとおり「仮想的な」専用線で、実際の通信はインターネット上を暗号化されて流れます。

Q: 在宅勤務の社員が自宅PCから社内システムを使うのに適したVPNの形態はどれ?
- [ ] 拠点間VPN(サイト間VPN)
- [x] リモートアクセスVPN
- [ ] 物理専用線
解説: 個人の端末を社内ネットワークへつなぐのがリモートアクセスVPNです。拠点間VPNはLAN同士を常時接続する形態です。

Q: VPN運用の注意点として本文で挙げられているのはどれ?
- [ ] VPNを使えばアカウント管理は不要になる
- [x] VPN装置の脆弱性を突く攻撃が多いため、アップデートを放置しない
- [ ] VPNを通すと通信は必ず速くなる
解説: VPNは社内への入口なので、装置の脆弱性対応とアカウント・多要素認証の管理が重要です。トンネル経由になるぶん速度は落ちることもあります。